お部屋のお掃除
白木とは?和室を美しく見せる白木の掃除方法と汚れを落とすプロの技
和室の柱や建具に使われることの多い「白木」は、塗装を施さず、素材本来の風合いを活かした木材です。優しくやわらかな色合いと美しい木目が、和室ならではの落ち着いた空間を演出してくれます。
その一方で、白木は非常にデリケートな素材でもあります。日々のお手入れ方法を誤ると、シミや変色といったトラブルにつながることがあるため、扱いには注意が必要です。
この記事では、白木の特徴や性質をふまえたうえで、素材にダメージを与えずにお手入れする方法を詳しく紹介します。あわせて、頑固な汚れがこびりついた白木が見違えるほど美しく蘇える、プロならではの技術についても解説します。
白木のナチュラルな風合いと美しさを長くキープするために、この記事を参考にして正しい知識とお手入れのコツを押さえておきましょう。

白木が和室に使われる理由と特徴

白木とは、塗装や着色を施さずに自然のままの風合いを活かした木材のことです。
白木は乾燥させた原木の樹皮を剥がしてから製材されており、杉や桧(ひのき)、栂(つが)といったやわらかな樹木が中心に使われています。
白木の持つナチュラルな色合いや木目の美しさ、なめらかな質感は、空間全体に清潔で温かみのある印象を与えます。
和室との相性がよく、柱や鴨居、建具などの内装に多く用いられています。
白木が使われる主な場所

柱(はしら)・長押(なげし)
一般的な木造住宅は、一定の間隔で柱が配置されています。昔ながらの和室や和テイストの内装は、これらの柱をあえて室内に露出させる工法で作られます。
この柱の素材として採用されることが多いのが、木の風合いをそのまま活かせる白木です。柱同士を水平につなぐ長押にも白木が使われることが多く、鴨居などの上に取り付けられています。
鴨居(かもい)・敷居(しきい)
鴨居は、ふすまや障子の上枠として、建具をはめ込むための溝が彫られた横木です。敷居は鴨居と一対になった下側の溝部分で、建具の滑りを良くする役割があります。人が出入りする場所のため、摩耗や汚れが目立ちやすくなります。
障子枠(しょうじわく)
障子の木枠には、軽やかな印象を与える白木がよく使われます。人の手が触れる機会が多いぶん、手垢による黒ずみが気になりやすい箇所でもあります。
床の間(とこのま)
床よりも一段高く、掛け軸や絵画、生け花などが飾られるスペースが床の間です。和室の格式や趣を表す場所でもあり、床柱や框(かまち)などには木目の美しさを活かせる白木がよく使われます。
廻縁(まわりぶち)・天井
廻縁は天井と壁との隙間を埋め、見た目を整える見切り材です。天井を構成する天井板や、それを支える天井竿(てんじょうざお)などにも白木が使われることがあります。
和室に白木を使うメリットとデメリット
木そのものの自然な美しさが魅力の白木ですが、取り扱いが難しい面もあります。
ここでは、和室に白木を使うメリットとデメリットを解説します。
和室に白木を使うメリット
白木は塗装や着色を施していないため、木そのものの風合いや香りを感じられます。和室特有の落ち着いた雰囲気にもよくなじみ、趣を演出します。
また、経年による色味や質感の変化も、白木ならではの魅力でしょう。
和室に限らず、洋室でも白木が使われることはあり、家具やインテリアのアクセントに白木を取り入れることで、空間にナチュラルな雰囲気が生まれます。
さらに、白木には空気中の湿気を吸収・放出して調湿する性質があり、快適な室内環境づくりにも役立ちます。
和室に白木を使うデメリット
多くの魅力がある白木ですが、デリケートな素材のため取り扱いには注意が必要です。
無塗装のため皮脂や水分を吸収しやすく、特に素手で触れることの多い場所は黒ずみやシミが目立ちやすくなります。
また、白木の内側からにじみ出てくる「あく(樹液)」が紫外線の影響を受けて飴色になり、やがて黒く変色してしまうケースも少なくありません。直射日光が当たる場所では、木材自体が日焼けや乾燥によるひび割れ・変色を起こすこともあるのです。
掃除の際にも注意が必要で、水拭きや白木用ではない洗剤の使用により、素材を傷めたり、かえってシミや汚れを広げてしまったりする恐れがあります。
キレイな白木を維持するには、正しい掃除方法を知り、定期的なケアを続けることが大切です。
白木をキレイにする方法

白木の美しさを保つには、日頃のお手入れが大切です。
ここでは、白木の掃除方法や汚れを落とすコツを紹介します。
白木掃除の基本
白木は非常に吸水性が高く、濡らしてしまうとシミや黒ずみの原因となるため、基本のお手入れは乾拭きが原則です。
週に1度を目安に、やわらかいブラシや乾いた布で木目に沿って優しく拭き、ホコリを取り除きましょう。
白木の黒ずみや手垢を落とすには
時間の経過とともに手垢や皮脂、空気中の汚れが蓄積した結果、白木の表面が黒ずんでくることがあります。
乾拭きだけでは落とせない汚れには、以下の方法で対応しましょう。
お湯で濡らしたタオルで拭く
手垢汚れはお湯で濡らしたタオルで拭き取ります。タオルは固く絞り、できるだけ水分を減らしてください。力を入れずに、数回に分けてやさしく拭くのがポイントです。
サンドペーパーで表面を軽く削る
黒ずみがひどい場合は、400~600番程度の目の細かいサンドペーパーを使い、木目に沿って軽く研磨します。ただし、削りすぎると表面が凹んだり、そこだけ不自然に白くなったりしてしまうため、注意が必要です。事前に目立たない箇所で試してから慎重に作業しましょう。
木材専用のクリーナーを使用する
市販されている白木専用のクリーナーは、黄ばみや軽度の黒ずみに効果的です。
お湯で拭いても汚れが落ちないときは、白木専用のクリーナーを使いましょう。製品によって使い方が異なるため、必ず記載されている使用方法や注意事項を確認してください。
白木クリーニングを業者に依頼する
広範囲にわたる手垢や黒ずみなどの汚れは、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
白木はデリケートな素材なので、家庭での掃除には限界があります。その点、白木の特性を熟知したプロに任せれば、汚れの状態を見ながら、木材を傷める心配もなくキレイな状態を取り戻せます。
白木を掃除する際の注意点

白木は素材そのままの質感を生かした木材です。塗装や着色をしていないため、水や洗剤の影響を受けやすく、取り扱いには注意が必要です。
ここでは、白木を掃除する際に気をつけなくてはならないポイントを解説します。
水拭きはなるべく控える
白木は吸湿性が高い素材です。水分を含むと膨張し、反りやねじれなどの変形を起こしたり、カビや黒ずみが発生したりすることもあります。
目立つ汚れがなければ掃除は乾拭きを基本として、水拭きは極力控えましょう。
強力な洗剤や漂白剤の使用はNG
ご家庭にある台所用洗剤や塩素系漂白剤は、繊細な白木には効果が強すぎるため使用しないでください。洗剤の成分が白木の繊維を傷つけるだけでなく、変色を招く恐れもあります。
研磨力が強い掃除グッズは使用しない
メラミンスポンジなどの研磨力が強い掃除グッズは、白木の掃除には不向きです。このような道具で白木をこすると傷が残ったり、ツヤが出てしまったりして、自然な風合いが損なわれてしまいます。
白木本来のやわらかな風合いをキープするには、ゴシゴシこすらず、やわらかい布などでやさしく拭き取りましょう。
白木の頑固な汚れは無理にこすらずプロに相談!

白木の汚れがなかなか落ちないからといって、強くこすったり、水拭きを繰り返したりするのはオススメできません。白木専用ではない洗剤を使うのもNGです。
間違った方法で掃除して白木にダメージを与えてしまうと、変色・変質してしまい元の状態に戻せなくなることもあります。
白木ならではの風合いを保ちながら頑固な汚れを落としたい場合は、無理せずプロに相談しましょう。専門業者であれば、白木に適した洗剤と熟練の技術で白木のあくや日焼け、シミ、黒ずみなどをキレイに取り除いてくれます。
家庭での掃除では落とすのが難しい汚れにも対応できるため、白木ならではの質感や色合いを損なうことなく元の美しさを取り戻すことができるでしょう。
和室が明るくよみがえる!おそうじ本舗の「白木クリーニング」

白木は、和室の印象を決定づける重要な部分です。正しい方法でお手入れすれば、長く美しい状態をキープできます。
しかし、家庭で対応できる汚れには限界があります。どうしても落ちない汚れや、長年蓄積した汚れが気になるときは、ハウスクリーニングのプロであるおそうじ本舗の「白木クリーニング」を試してみてください。
おそうじ本舗の「白木クリーニング(※1)」とは?
おそうじ本舗が提供する「白木クリーニング(※1)」は、専用の洗剤とハウスクリーニングのプロならではの技術で、白木の汚れをキレイに取り除くサービスです。
鴨居・敷居・柱・長押・窓枠などさまざまな箇所に対応しており、和室6帖あたりの施工にかかる時間は、天井と廻縁を含まない場合で約6時間が目安です。天井と廻縁を含めると約6時間×2日間を想定しています。
また、塗装されていない白木の家具や、屋外の白木部分にも対応しています。
屋内と比べ、屋外の白木は汚れがつきやすく劣化も進みやすいため、事前に20cm角程度の無料サンプル施工を実施しています。仕上がりを確認した上で、納得してからご依頼いただけるので安心です。
繊細な白木も安心!プロの技術で汚れをしっかり除去
使われる洗剤は白木専用のもので、丁寧な手作業と組み合わせることで素材へのダメージを抑えながら白木のあくや黒ずみ、カビなどのしつこい汚れもキレイに落とします(※1)。
劇物を含まないため、小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭でも安心して利用できる点も魅力です。
洗浄後は白木ならではのやわらかな風合いがよみがえり、和室全体が明るく清潔な印象に生まれ変わるでしょう。
白木の特性を熟知したスタッフが丁寧にクリーニング
洗浄作業は、白木の特性をよく理解したスタッフが、木材の状態を見極めながら丁寧に手作業で行います。
ここでは、和室の白木クリーニングの作業手順を簡単に紹介します。
「白木クリーニング」の作業の流れ
- 白木の周囲をしっかりと養生し、白木以外の部分を保護します。
- 表面に付着した汚れを丁寧に取り除きます。
- 白木専用の洗剤を刷毛で塗り、木目に沿って拭き上げます。
- 白木を十分に乾燥させます。
- 表面を整え、最終的な仕上がりをきちんと確認します。
「白木コーティング(※2)」でキレイが長持ち
白木クリーニングの仕上げには、オプションサービスの「白木コーティング(※2)」がオススメです。洗浄後の白木の表面に特殊なコーティング剤を塗布することで、汚れが付着しにくくなります。
また、水分の浸透を防ぐ作用でカビを予防できるほか、紫外線による日焼けの抑制も期待できます。
特に人の出入りが多くて汚れやすい和室や、紫外線や湿気の影響を受けやすい場所に実施すると効果を実感しやすいでしょう。
さらに、コーティング後も白木ならではの自然な風合いや手触りを損なわない点も、おそうじ本舗の白木コーティングの特徴の一つです。お手入れの手間は減らしつつ、長期間にわたりナチュラルで清潔感のある和室の雰囲気を保ちたい方は、白木クリーニングとあわせて白木コーティングも検討してみてはいかがでしょうか。
(※1)汚れの状況により、完全に除去できない場合がございます。
(※2)全ての汚れ及び日焼けの防止並びに経年劣化の抑制を保証する物ではございません。全てのカビの発生を抑制するものではございません。使用状況により白木コーティングの効果期間は異なります。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品・サービス開発西辻義貴
ビルメンテナンス業界やハウスクリーニング、ハウスコーティングなどに携わり、現職では、おそうじ本舗の商品や新サービスの開発を担当。お客様に『感動を売る、満足を売る』ことを念頭に置き、日々探求心を忘れず、くらしを支えるサービスの提供・開発に取り組む。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について

