お部屋のお掃除
畳の掃除の仕方を徹底解説!キレイに保つ日常のお手入れからプロの活用まで
畳は日本の暮らしと馴染みが深く、和室には欠かせないものですが、フローリングと比べるとお手入れに手間がかかります。
「正しい畳の掃除方法がわからない」「畳にシミやニオイがついてしまって困っている」「畳に生えたカビはどうしたらいいか」など、畳のお手入れに関して悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
畳を美しく、衛生的に保つには、掃除だけでなく、湿気対策や汚してしまったときの対処法も知っておく必要があります。
この記事では、畳の持つ性質や汚れがたまる理由に触れながら、畳の正しい掃除方法や、やってはいけないこと、カビやシミに対する具体的な対処法について詳しく解説します。
あわせて、プロのクリーニングを活用するケースについても紹介。
正しいお手入れの仕方と、畳を清潔に保つためのポイントを押さえて、心地よく、安心して過ごせる空間に整えていきましょう。

目 次
畳の構造と汚れがたまりやすい理由

畳は、天然素材であるイ草や藁などを用いて作られており、通気性に優れているのが特徴です。一方で、湿気を吸収しやすい特性も持っているため、風通しが悪い状態が続くと、高湿度な環境を好むダニやカビが繁殖しやすくなってしまいます。
さらに、畳の目には細かなホコリやゴミ、皮脂やフケなどが入り込みやすく、放置するとダニの養分となるため、定期的な掃除が欠かせません。
ここでは、一般的な畳の構造と、畳が汚れる理由について解説します。
畳の構造
一般的な畳は、以下の3つの層で構成されています。
畳表(たたみおもて)
イ草を織り込んで作られている畳の表面部分です。細かい繊維が密集しており、つまっているように見えますが、畳の目にはホコリや髪の毛、皮脂などが入り込みやすくなっています。
畳縁(たたみべり)
畳の傷みや劣化が目立つ角の部分を保護するためにつけられている布です。この畳縁や、畳と畳の間も、ホコリなどのゴミがたまりやすい場所です。
畳床(たたみどこ)
畳の芯にあたる部分で、かつては藁を何層にも重ねて作られていました。近年では、インシュレーションボードやポリスチレンフォームなどの素材が使用されることもあります。いずれの素材でも、湿気がたまるとダニやカビが繁殖しやすくなります。
畳を掃除しないとダニ・カビ・シミなどのリスクがある
畳の掃除を怠ると、ダニの繁殖やカビの発生、シミ汚れの原因となります。
特に湿度が高く、ダニやカビが繁殖しやすい梅雨の時期などは、健康被害のリスクを避けるためにも定期的な掃除が重要です。
基本の畳掃除の仕方

畳は水分を多く含んだ状態で放置すると変色やカビ、ダニの発生につながります。掃除の際はできるだけ水拭きを避けましょう。
ここでは、基本的な畳の掃除方法を紹介します。
畳掃除の基本手順
畳のお手入れは、週に1~2回が目安です。定期的に掃除して清潔な状態を維持しましょう。
日常的なお手入れ
畳の目に沿って、掃除機またはほうきでホコリを取ります。掃除機を使う場合は「畳モード」にするか吸引力を「弱」に設定し、優しくゆっくりと畳全体に均一にかけましょう。
掃除機をかけたあと、乾いたタオルで畳の目に沿って拭き上げると、細かなホコリも取り除けます。
汚れが気になる場合のお手入れ
畳の汚れが目立つときは、掃除機をかけたあとに水拭きします。お湯でぬらして固く絞ったタオルを使い、畳の目に沿って拭いてください。最後は畳が余分な水分を吸収しないように、乾いたタオルで乾拭きして仕上げます。
やってはいけない畳掃除のNG行動
間違った掃除方法は、畳の変色や劣化を早める原因となります。
畳を掃除する際は、以下の点に注意しましょう。
畳の目に逆らって掃除しない
畳掃除の際は、畳の目に沿って行うのが鉄則です。畳の目に逆らって掃除すると、細かなゴミが畳の間に入り込んだり、畳の表面を傷つけたりする恐れがあります。
水拭きはできるだけ避ける
畳は水分を吸収しやすいため、ぬれたままにするとカビや変色の原因となります。乾拭きでは落ちない汚れがあり、やむを得ず水拭きする場合は、必ず固く絞ったタオルを使いましょう。拭いた後は、乾拭きで余分な水気を取り除き、しっかり乾燥させることが大切です。
強力な洗剤は使用しない
漂白剤などの強力な洗剤は、畳の変色や劣化につながる可能性があるため使用しないでください。
ストーブやドライヤーで乾かさない
ぬれた畳を急激に乾かすと、畳の変色や変質につながります。畳をぬらしてしまった場合は乾拭きで水気を拭き取ってから、部屋を換気して自然乾燥させましょう。
畳は掃除だけでなく湿気対策も大切
畳を高湿度な環境に置き続けると、カビやダニの温床になってしまいます。畳を衛生的に保つには、湿気対策も欠かせません。
晴れた日には窓を開けて換気を行い、布団やカーペットを敷きっぱなしにしないよう心がけましょう。梅雨など湿度の高い季節は、除湿器や除湿剤を活用するとより効果的に部屋の湿度を下げられます。
さらに、年に数回は畳を持ち上げて裏側の掃除や風通しをしましょう。畳を干せる広さの庭があれば、湿度の低い春や秋のよく晴れた日に天日干しするのもオススメです。
ただし、畳は大きくて重いため、外に運び出すのが難しければ無理せず室内で風を通すだけでも構いません。その場合は、畳を少し持ち上げて下に空き缶や空き瓶などを置き、空気の通りをよくすると、湿気対策になります。
畳に汚れやシミがついたときの対処法

畳の主な素材であるイ草は水分を吸収しやすいため、飲み物などをこぼすとシミになってしまうことがあります。
畳に汚れやシミがついてしまったときは、できるだけ早く、正しい方法で対処しましょう。
水や飲み物をこぼしたらすぐに拭き取る
色の濃いものを畳にこぼすと、しみ込んでシミになってしまいます。飲み物などの液体を畳にこぼしたときは、すぐに拭き取ってください。
拭き取る際は、乾いたタオルやキッチンペーパーなど吸水性の高いものを使い、強くこすらずに畳に押し当てるようにして水分を吸わせます。
畳の表面の水分を拭き取ったら、液体がしみ込んだ場所に小麦粉や塩、ベビーパウダーなどの粉末を振りかけて水分と汚れを吸着させます。その後、掃除機で丁寧に吸い取ってください。
畳の目に入り込んだ汚れは、歯ブラシやスポンジなどを使ってかき出したあとに掃除機で取り除きます。畳の表面は傷がつきやすいので、強くこすりすぎないよう注意が必要です。
赤ちゃんやペットのおしっこ
赤ちゃんやペットが畳の上でおしっこをしてしまったときも、基本的な対応は飲み物をこぼした場合と同じです。ただしニオイが取れない可能性があるため、さらにもうひと手間かけてできるだけニオイ残りを防ぎましょう。
飲み物をこぼしたときと同様に水分と汚れを落としたら、お湯でぬらして固く絞ったタオルで水拭きしてください。仕上げに乾いたタオルで乾拭きして水分を取り除きます。最後に、クエン酸水スプレーやアルコールスプレーを振りかけておくと、ニオイを抑える効果が期待できます。
軽度なカビの対処法
梅雨シーズンの湿気や、窓の結露などが原因で畳にカビが生えることがあります。生え始めたばかりの初期段階のカビであれば、家庭でもある程度対処できます。
【準備するもの】
- マスク
- ゴム手袋
- 歯ブラシ
- タオル
- エタノール(濃度70~80%くらいに薄めたもの)
掃除を始める前に、カビの胞子を吸い込まないようにマスクを着け、エタノールなどによる手荒れを防止するためのゴム手袋も着用してください。
【掃除手順】
- 部屋の窓やドアを開けて換気しながら、室内に浮遊しているカビの胞子を外に出します。
- カビの胞子が舞わないように注意しながら、ゆっくりと掃除機をかけてください。
- スプレーボトルに入れた消毒用のエタノールを、カビのある部分に吹きつけます。
- 15~20分ほど放置したあとに、畳の目に沿って消毒用エタノールを含ませた歯ブラシで優しくかき出します。③④の工程は丁寧に3~4回ほど繰り返してください。
- 最後に、乾いたタオルでしっかりと拭き取り、十分に乾燥させましょう。
なお、カビ取り剤や漂白剤のような刺激の強い洗剤は、畳の変色や傷みにつながる恐れがあるため、絶対に使用しないでください。
自分で落とせない汚れやダニが気になるなら業者に依頼する

頑固な汚れや、ダニの対策に悩んでいるときは、プロによる畳クリーニングの利用を検討しましょう。
畳はデリケートな素材が使われているため、誤った方法で掃除すると表面を傷めてしまうことがあります。また、強力な洗剤も使えないため、畳の内部までしみ込んでしまった汚れや、付着してから時間が経った濃いシミなどは、プロでも落としきるのは困難です。
しかし、畳へのダメージを最小限に抑えながらできる限りキレイな状態を目指すのであれば、専門業者の畳クリーニングを活用しましょう。
【プロに依頼するケース】
- シミやカビなどの汚れがある
- ダニが気になる
- 小さな子どもやペットがいて衛生面が心配
また、こうしたケースに限らず、定期的に畳クリーニングを依頼することで、衛生的で快適な状態を維持しやすくなります。
おそうじ本舗の「畳除菌クリーニング(※1)」なら安心・キレイ
おそうじ本舗が提供する「畳除菌クリーニング(※1)」は、畳の表面はもちろん、畳の内部まで洗浄・除菌するクリーニングサービスです。
高温スチームと専用の洗剤を使い、畳を丁寧に洗浄します。安全性の高い天然由来の洗剤を採用しており、畳の素材を傷めにくい点もこのサービスの特長です。
クリーニングの最後には、ヒノキ由来の成分を使った害虫忌避剤を散布して仕上げるので、ダニ予防効果も期待できます。
おそうじ本舗の「畳除菌クリーニング(※1)」の特徴
サービスの手順に沿って「畳除菌クリーニング(※1)」の特徴を解説します。
1.家具や什器を移動
作業対象となる部屋に置かれている家具や什器を移動させます。
2.サービス前にダニアレルゲン測定(※2)
洗浄する畳約1㎡に対して、ダニ検査用マイティチェッカーを使ったダニアレルゲン測定を行います。おそうじ本舗では、見た目ではわかりにくいクリーニングの効果を確認するために、作業の前後でダニアレルゲン測定を実施しています。

3.畳クリーニング(※1・2)
畳専用の機材と洗剤を使って、畳の内部まで丁寧に洗浄します。同時に100℃の高温スチームで除菌もされるため、カビの発生を抑える効果も期待できます(※3)。

4.サービス後のダニアレルゲン測定
クリーニングの終了後は、再びマイティチェッカーで洗浄した畳約1㎡の範囲に対しダニアレルゲン測定を行います。


5.害虫忌避剤(※4)の散布
ヒノキ抽出成分を使用した害虫忌避剤を散布します。散布後は、ほのかな木の香りが残ります。施工前に香りを確認できるので、香りが苦手な場合や忌避剤が不要な場合は、散布を控えることも可能です。

6.乾燥
最後に畳をしっかりと乾燥させてから、移動させていた家具や什器を元の位置に戻します。
(※1)全ての菌や汚れを除去するものではございません。汚れの状況により、完全に除去できない場合がございます。
(※2)ダニアレルゲンの減少を保証するサービスではございません。
(※3)全てのカビの発生を抑制するものではございません。
(※4)害虫忌避剤は、完全に害虫を予防するサービスではございません。
この記事の監修者
ハウスクリーニング商品・サービス開発西辻義貴
ビルメンテナンス業界やハウスクリーニング、ハウスコーティングなどに携わり、現職では、おそうじ本舗の商品や新サービスの開発を担当。お客様に『感動を売る、満足を売る』ことを念頭に置き、日々探求心を忘れず、くらしを支えるサービスの提供・開発に取り組む。
おそうじ本舗 自分でできるお掃除術 監修者について

