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更新:2024年09月11日
エアコンには冷房・暖房・除湿のほかに、送風機能がついている機種もあります。
しかし、送風を使うタイミングがわからず、ほとんど使ったことがないという方もいるのではないでしょうか?
送風は、上手に使えばエアコン内部のカビの繁殖を抑制したり、運転効率をアップして電気代を節約したりできる、とても便利な機能なのです。
今回はエアコンの送風の仕組みや便利な使い方、使う際の注意点について詳しくご紹介します。
送風機能を使いこなして、節電しながら快適に過ごしましょう。
目 次
エアコンの送風機能は、冷房・暖房・除湿機能とどう違うのでしょうか?
機能を使い分けるには、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。冷房・暖房・除湿と送風の違いや、送風機能がついていない機種でも送風運転ができる方法をご紹介します。
送風は、温度や湿度を変えずに部屋の空気を循環させる機能です。室内から取り込んだ空気を、そのまま室内に送り出します。
送風運転時には、エアコン内部の送風ファンが回転するだけで、熱交換器や室外機は動作していません。
エアコンは空気の温度調節に最も電気代がかかるので、送風ファンを動かすだけであれば電気代もそれほどかかりません。
冷房・暖房・除湿が送風と異なるのは、エアコン内部に取り込んだ空気の温度調節をする点です。
冷房や暖房は、取り込んだ空気を温めたり冷やしたりして室温を設定温度に近づけることができます。
除湿は、取り込んだ空気を一度冷やして水分を取り除き、室内の湿度を下げる機能です。
温度調節のために、送風ファンだけでなく熱交換器や室外機も動作しています。
動作している箇所が多いので、送風に比べると消費電力が大きくなります。
それぞれの特徴を理解した上で、上手に使い分けましょう。
機種によっては、エアコンに送風機能がない場合もあります。
そんなときは、冷房を最高温度(31度)に設定して運転しましょう。室温が30度以下であれば、送風運転と同じ効果があります。
冷房を送風として利用できる理由は、室内温度よりも設定温度を高くすることで、熱交換の必要がなくなるからです。内部の送風ファンのみが稼働するので、送風と同じように取り込んだ空気をそのまま送り出すことができます。冷房は、構造上どんなに温度を高くしても暖かい風が出てこないので、覚えておくと便利です。
エアコンの送風運転では、熱交換器や室外機が稼働しないため、消費電力が大幅に抑えられます。
では、冷房や暖房と比較すると送風はどのくらいお得なのでしょうか。
ここでは、冷暖房運転時・送風運転時それぞれの1時間あたりの消費電力と電気料金の違いを比較してみます。
エアコンの消費電力は機種によって異なります。機種ごとの詳細な消費電力は、エアコンのカタログやメーカーの公式ホームページで確認できます。
ここでご紹介しているのは、市販の機種のなかから一例を挙げて比較したものです。
機能 | 消費電力 |
---|---|
送風 | 15W |
冷房 | 1,110(105〜1,600)W |
暖房 | 1,090(105〜3,670)W |
常にフルパワーで稼働するわけではないため、消費電力の変動はあるものの、送風運転時の消費電力が圧倒的に少ないことが確認できます。
1時間あたりの電気代は以下の式で計算します。
1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×電力量料金単価(円)×1(時間)
電力量料金単価は、地域や電力会社との契約内容によって異なります。ここでは、目安単価31円/kWh(税込)で算出します。これは、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表している、全国の電力量料金単価を平均した金額です。(令和4年7月22日改定)
機能 | 電気料金(1時間あたり) |
---|---|
送風 | 約0.5円 |
冷房 | 約34.4円 |
暖房 | 約33.8円 |
真夏はエアコンを長時間つけたままにすることも多く、電気料金の差も大きくなります。状況に応じて送風運転に切り替えたり、併用したりすることで電気料金の節約が可能です。
エアコンの送風機能は、さまざまなシチュエーションで役立ちます。
ここでは、送風機能の活用シーンや利用するメリットについてご紹介します。
エアコン内部にカビが繁殖する原因の多くは、高湿度とホコリなどの汚れです。
エアコンは稼働時に室内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を設定温度に変換してから吐き出します。
その際、空気に含まれる水蒸気と、空気中に舞う細かいホコリやチリも一緒に吸い込んでしまうのです。特に、夏場の暖かい空気には水蒸気が多く含まれています。
さらに、冷房や除湿運転中に発生する結露水もエアコン内部の湿度を上げてしまうので、エアコン内部はカビや雑菌が繁殖しやすい環境と言えるでしょう。
冷房・除湿運転の後は、1時間ほど送風運転をしてエアコン内部を乾燥させることで、カビの繁殖を抑えることができます。
高機能なエアコンには、この工程を自動で行う「内部クリーン」という機能が搭載されている場合があります。
冷房や除湿とは異なり、送風運転では熱交換器が作動しないぶん消費電力が抑えられます。
「冷房をつけると寒すぎるけど、消すと暑い」と感じるときや「寝るときに一晩中エアコンをつけておくのは電気代が気になる」という場合には、送風運転を使用することで電気代を節約できます。
送風運転は、扇風機やサーキュレーターのような感覚で使用するとよいでしょう。
詳しくはこちら:エアコンの節電方法を紹介!効果的に電気代を節約するポイント
室内温度が高いときにすぐに冷房運転を始めると、設定温度と室内温度の差を縮めるためにエアコンはフル稼働します。室内温度が高いほどフル稼働の時間が長くなり、消費電力が高くなります。その結果、電気代がかさむことになってしまいかねません。
夏に帰宅したとき、締め切った部屋が外より暑く感じたら、まずは窓を開けて送風運転をしましょう。室内の熱気を外に逃がしてから冷房を付けると、効率よく室内を冷やすことができます。
また、冷房や暖房運転の前に送風運転で空気の流れを作っておいて、温度調節した風が部屋中に行き渡りやすくすることも、冷暖房効率を高める方法の一つです。
送風運転を行うことで、室内に空気の流れを作り出せます。
通常、暖かい空気は上の方に、冷たい空気は下の方にたまる性質があります。室内の温度を均一に保ちたいときは、送風を使って空気を循環させましょう。
窓を開けて換気を行う際に送風運転を併用すれば、空気の流れが生まれ換気効率が向上します。室内の汚れた空気を効率よく室外に排出し、短時間で新鮮な空気と入れ替えることが可能です。
さらに換気によって湿度が低下するため、夏場には体感温度を下げる効果も期待できます。
送風は、カビ対策や電気代の節約ができる便利な機能です。しかし、使い方や使う場面を正しく理解しておかないと、効果を感じられないどころか、熱中症などのリスクが高くなることもあります。送風を効果的に使うために、注意点も理解しておきましょう。
暑さが厳しい真夏は無理せずに、冷房を使用してください。送風は、部屋の温度を下げることはできません。締めきった部屋で送風運転にしている場合、多少涼しさを感じても温度や湿度は下がっていないため、熱中症になるリスクがあります。
特に室内温度が28度以上の部屋にいる場合、熱中症になりやすいので注意してください。水分補給などで、熱中症対策をすることも大事です。
寝るときに冷房をつけっぱなしにすると風邪をひきそうで心配な方は、冷房と送風を併用するのがおすすめです。
寝る1時間くらい前に、冷房を少し低めの温度設定(25度くらい)にして、いったん部屋を涼しくしましょう。その後、送風運転に切り替えれば、体を冷やしすぎることなく快適に過ごすことができます。
それでも気温や湿度によっては、熱中症のリスクはあります。熱帯夜は冷房を28度くらいにして朝までつけっぱなしにしても問題ありません。「快眠モード」や「おやすみモード」がある場合は、積極的に使用しましょう。自動的に快適な温度と湿度にしてくれます。
就寝時、冷房を使うほどの暑さでなければ、送風をつけたまま寝ることがあるかもしれません。このとき風が直接体に当たっていると、体感温度が下がり涼しく感じます。
しかし、風が長時間体に当たり続けると、体温が奪われ思った以上に体が冷えることがあります。また、風によって体の水分が通常よりも蒸発しやすくなるため、知らず知らずのうちに脱水状態になるリスクも高まり危険です。
さまざまな体の不調を引き起こす可能性があるため、寝る際には風向きを調節するなどして、エアコンからの風が直接体に当たり続けないようにしましょう。
送風運転時に設定温度を変えても、室温には影響しません。それは、熱交換器を使用しないからです。送風運転だけで快適に過ごしたい場合は、温度でなく風量を調整するとよいでしょう。
送風運転では、湿度を下げることはできません。湿度を下げたいときは、除湿運転にしてください。梅雨時などジメジメして湿気が多いと感じるときは、除湿を使うと快適になります。
洗濯物を部屋干しする際にも、風を当てるだけの送風運転に比べて、湿度を下げる除湿運転の方が、洗濯物が早く乾きます。
目的に応じて送風と冷房・除湿を使い分けるようにしましょう。
冷房・除湿運転後の送風運転は、エアコン内部を乾燥させられるのでカビ対策として有効です。しかし、完全にカビを防ぐことはできません。
あくまで、カビの繁殖を抑えるための対策です。カビが発生しないわけではないので、定期的にエアコンの掃除も行う必要があります。エアコン内部のカビを完全に除去するには、専門業者にエアコンクリーニングを依頼することをおすすめします。
冷房・除湿運転後に送風運転でこまめにエアコン内部を乾燥させていても、エアコンがホコリなどで汚れていると、カビが発生しやすくなります。また、フィルターが目詰まりしていると運転効率が下がり、電気代も高くなります。
電気代節約やカビ対策のために、エアコンの掃除をしておきましょう。
自分で掃除できる範囲は、定期的に掃除することをおすすめします。
感電防止のため、掃除を始める前に必ずコンセントを抜いておいてください。
エアコン表面の汚れやホコリをふき取る際、フィルター以外を取り外すと故障の原因になりかねないので、分解はしないでください。
詳しくはこちら:自分でエアコンを掃除する方法を徹底解説!簡単に作れる掃除道具も紹介
エアコン内部の汚れやカビをしっかり掃除したい場合は、専門業者にエアコンクリーニングを依頼するのがおすすめです。
送風運転や定期的な掃除で、ある程度カビの繁殖を抑えることはできますが、エアコンは使い続けるとどうしても内部に汚れが蓄積されて、その汚れを餌にカビが繁殖します。
内部が汚れていたり、カビだらけになっていたりすると、エアコン使用時にホコリやカビの胞子が室内に飛散することになります。
清潔な状態でエアコンを使うためにも、定期的に業者にエアコンクリーニングを依頼しましょう。
エアコン内部の掃除には専門知識が必要です。自分で掃除を行うと、分解したエアコンを元に戻せなくなってしまったり、水や市販の洗浄スプレーを電気部品にかけてしまったりして、故障する恐れがあります。
場合によっては修理費用が高額になったり、買い替えが必要になったりすることもあるので、エアコン内部の掃除は業者にお任せしましょう。
専門業者ならば、洗浄力が高い洗剤と高圧洗浄機でエアコン内部の隅々までキレイに掃除することができます。
自分で掃除できるフィルターなどはこまめに掃除し、エアコンの内部は1年に1回を目安に専門業者にクリーニングを依頼しましょう。
日常的に掃除をしていても取りきれないエアコンの奥の汚れは、おそうじ本舗の「完全分解洗浄(※1)」で徹底的に取り除きましょう。
おそうじ本舗の完全分解洗浄は、エアコンのカバーだけでなく、送風ファンやドレンパンなどのカビの温床になりやすいパーツも取り外して洗浄できます。
エアコンの奥に潜んだホコリやカビなどの汚れを徹底洗浄し、取り外したパーツも一つひとつ丁寧に洗い上げます。
仕上げにオプションの防カビチタンコーティング(※2)を施せば、クリーニング効果も長持ちするので安心です。
エアコン内部は目では見えないからこそ、定期的にクリーニングをして快適にエアコンを使いましょう。
(※1)汚れの状況により、完全に除去できない場合がございます。
(※2)全てのカビや菌を抑制するものではございません。使用状況により防カビコーティングの効果期間は異なります。
おそうじ本舗のエアコンクリーニングは、卓越した技術力と専用機材を駆使してエアコンのニオイやカビ、汚れ、さらに雑菌まで徹底的に分解洗浄。完全分解洗浄は、洗浄の妨げになる部品を完全に取り外してエアコンの隅々まで徹底的に洗浄します。
おそうじ本舗のエアコンクリーニングは、卓越した技術力と専用機材を駆使してエアコンのニオイやカビ、汚れ、さらに雑菌まで徹底的に分解洗浄。完全分解洗浄は、洗浄の妨げになる部品を完全に取り外してエアコンの隅々まで徹底的に洗浄します。